10年落ちのスキャナーは現代でも使えるのか【Canon LiDE220】

先日、スキャナーが急遽必要になったので、とりあえず中古2000円のCanon LiDE220を買いました。発売日は2014年9月4日。しばらく使ってみたので、今のところの評価を書いていきます。
仕様
公式ホームページより、仕様は以下のようになっています。比較用に現行モデルのLiDE400も公式ホームページより引用します。
LiDE220 | LiDE400 | |
形式 | フラットベッド型 | フラットベッド型 |
センサータイプ | CIS | CIS |
光源 | 3色(RGB)LED | 3色(RGB)LED |
光学解像度 | 4800 x 4800 dpi | 4800 x 4800 dpi |
読み取り解像度 | 25 ~ 19200 dpi | 25 ~ 19200 dpi |
読み取り階調(入力/出力) | カラー:48ビット(RGB各色16ビット)入力/48ビットまたは24ビット(RGB各色16ビットまたは8ビット)出力 グレースケール:16ビット入力/8ビット出力 | カラー:48ビット(RGB各色16ビット)入力/ Windows:48ビットまたは24ビット(RGB各色16ビットまたは8ビット)出力 Mac:24ビット(RGB各色8ビット)出力 グレースケール:16ビット入力/8ビット出力 |
インターフェース | Hi-Speed USB | 記載なし(USB接続) |
最大原稿サイズ | A4/レター(216 x 297 mm) | A4/レター(216×297mm) |
EZボタン | 5ボタン(PDF x 2、AUTO SCAN、COPY、SEND) | 5ボタン(PDF×2、AUTO SCAN、COPY、SEND) |
動作環境 | 温度:5 ~ 35 ℃ 湿度:10 ~ 90 % RH(結露しないこと) | 温度:5~35℃ 湿度:10~90% RH(結露なきこと) |
電源 | USBバスからの供給(ACアダプター不要) | USBバスからの供給(本体に電源スイッチはありません) |
消費電力 | 動作時(最大):約2.5 W 待機時(スリープ時):約1.4 W *1 サスペンド時:約11 mW *1 *1 USB接続時 | 記載なし |
外形寸法 | 約250 mm(横) x 365 mm(奥行き) x 39 mm(高さ) | 約250 mm(横) x 367 mm(奥行き) x 42 mm(高さ) |
質量 | 本体 約1.6 kg | 約1.7kg |
プレビュー時間 (A4カラー/300dpi) | 記載なし | 約7秒 |
カタログ上の仕様を比較しても、特に違いはありません。これを見る限りでは、古いものだからと言って、実用上性能が劣ると言う訳では無さそうです。
そもそもなぜスキャナーなのか
最近のプリンターにはスキャン機能を搭載しているモデルが多く、スキャナーなんて要らないのではと言われそうです。実際普通に使っていればそうだと思います。ただ、私の場合引越しが多く、その度にスキャン機能搭載のプリンターを購入するのは勿体ないので、引越し時も小さいサイズで送れるスキャナーを購入しました。
プリンターは引越し時には価格の割に大きい上にすぐ壊れるので、引越し時にリサイクルショップに持っていっています。その為、スキャン機能の無い安いモデルで済ませたいのです。
開封
今回は駿河屋にて2000円ほどで購入しました。状態は悪いと記載。

スキャナー本体の他にUSBケーブル、スタートガイド、インストールCDが付属。CD内のドライバやソフトはホームページからもインストール可能なので、CDドライブが無くても大丈夫です。


状態は、ボディーに傷は多いものの、スキャン時に影響のある箇所には傷や汚れは無い様子。
便利機能

スキャナー本体前面には5つのボタンがあります。これはEZボタンと言って、ボタンを押すだけで簡単にスキャンができると言うもの。最近のスキャナーには当たり前のように付いていると思いますが、このボタンが高機能で便利でした。
左からPDFスキャン開始、PDFスキャン終了、おまかせ、プリンターでコピー、メール添付となっています。PDFは、開始ボタンを押すとスキャンが始まり、終わったら次の原稿を入れまたボタンを押す。すべて終わったら最後に終了ボタンを押すことで、複数ページのPDFとして保存できます。使ってみるとこれが便利すぎて、他のスキャナーはもう使えないくらいになってしまいました。
付属ソフト
Canon Lide 220ではドライバ以外に以下のソフトが付属しています。
- Canon IJ Scan Utility・・・スキャナーの設定、スキャン時の設定。
- Canon Quick Menu・・・Canon IJ Scan Utrilityの簡易版。使ってない。
- My Image Garden・・・写真を加工したりできる。GIMPで良いかな。
一応すべてWindows11環境でインストールしてみたが、問題なく動作しました。公式では一部はサポートしていないようですが、最低限のものは使用できるようです。
実際に使ってみる
とりあえず、写真と文書をスキャンしてみました。
まずは写真。最高設定の600dpi、JPEG、高画質でやってみたものがこちら


画質自体悪くはありませんが、全体的に白っぽくなっている印象です。夜景ではそれが特に現れており、夜空が霞んで見えます。とはいえ個人的には許容範囲。
次に文書。設定は最高の600dpi、PDFでやってみたものを一部拡大したものがこちら

こちらはとても綺麗にスキャンできました。しかもテキストに変換までしてくれました。この機能は複合プリンターには付いていないものが多いので、想定外でした。ありがたい。
写真が少し写りが悪かったので、標準画質にすれば良くなるパターンもあるかと思いましたが、結果は変わりませんでした。


EZボタン速度
このLiDEシリーズの売りはこのEZボタンの手軽さとスキャンの速さのようなので、今回はL判写真とA4文書をAUTO SCANでスキャンしてみます。設定はすべて300dpi、標準画質です。
計測は各5回ずつ行い、その平均を求めました。スタートはボタンを押したとき、終了はエクスプローラーにファイルが表示された時とします。
各結果です。
- L判写真 16.79秒
- A4文書 17.09秒
一般的なスキャナーと比較すると多少早くスキャンはできるようです。また、サイズを自動で認識してくれる他、JPEGかPDFどちらで保存するかも自動で行ってくれます。地味に嬉しいポイント。
唯一の不満点
ここまで大きな不満点は無いが、使っていて一つだけ気になった点があります。何故かAUTO SCANボタンの反応が悪いです。特にボタンが壊れている様子もなさそう。ソフトウェア側の問題なのか…。ネット上でもこのボタンが効きづらいようなので、LiDE220の持病と思われます。せっかく便利な機能なのにもったいない。
LiDE220は現代でも使えるのか
2024年現在、このスキャナーは普通に使えます。仕様を見ても分かる通り、現行機種とほぼ変わないし、実際使っていても問題無い。ドライバも普通に使えました。
ただ、写真やイラストには不向きだと思います。その分文書は想像以上に綺麗に写してくれます。そして、EZボタンの便利さは凄いんですが、反応が悪いので、最新型を購入するとより快適かと思います。